メルマガバックナンバー シーズン3 世界を動かすヘッジファンド|香港投資家ファミリー 香港ニュースタンダードクラブ HKNSC

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スタンレー・よっしーのメルマガ シーズン3 
「世界を動かすヘッジファンド 1、きっかけ」

皆様、お待たせしました。
やっとシーズン3がスタートできます。
今回は、聞いたことがあるようでイマイチわからないヘッジファンドについてのお話です。

でも、どうしてヘッジファンドなのか?といいますと、
今年になりヘッジファンドの関係者と知り合ったことがきっかけなんですよ。
少し堅苦しい感じがしましたが、そこから興味を持つようになったのです。

正直なところ、今までは、少し遠い世界の話程度にしか思っていませんでしたが、
いろいろ話を聞いていくうちに、案外身近なものだということがわかってきました。

そんな話を書いていきたいと思います。
では、「シーズン3 世界を動かすヘッジファンド」スタートです。

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ある日、一通のメールが送られて来ました。
そのメールはシンガポールからでした。
「今度、香港でお会いしませんか?」というお誘いの内容でした。
2015年春にその人と会うことになりました。

ペニンシュラ香港にて
僕「はじめまして、よっしーと申します。」

男「やぁ、よろしく。」

その白人男性は、背が高く日本語の堪能な方でした。

男「日本から、わざわざすまないね。」

僕「構いませんよ。毎月来ていますので。」

男「らしいね。私も2ヶ月に1度は来ていますよ。」

僕「そうなのですか、今回も仕事で来られたのですか?」

男「そうですよ。」

そして、僕たちはソファーに座り話しだしました。

男「君はどんな投資をしているのだ?」

僕「わりと一般的なものが多いですよ。」

男「投資家というよりもすこしイメージが違うね。トレーダーという感じでもないし。」

僕「そうですね。周りに色んな人がいますので、いつも、その人達を頼っています。笑」

男「なるほど。餅屋は餅屋だかね。」

僕「それより、日本語上手ですよね。」

男「ありがとう。長い間住んでいたからね。」

僕「そうなのですか。出身はどちらですか?」

男「僕はロンドンだよ。」

僕「行ったことがありますよ。」

男「そう!いいところでしょう。」

僕「はい、そうですが、寒かったですし、食べ物が英国料理らしきものを食べていなくて...」

男「英国は野菜が美味しいのだよ。知らないのか?ところで何しにロンドンへ?」

僕「僕の仲間の仕事があり、せっかくなので行こうよと誘われて。」

男「そうなのか、他にはどこを見ましたか?」

僕「グランドロッジや博物館とか見ましたよ。」

男「イギリスには見るところ沢山あるからね。」

僕「ところで、お名前は?」

男「私はルーク」(仮名)

僕「仕事は何をされているのですか?」

男「金融だよ。」

僕「金融でも色々ありますが、どんな?」

ルーク「ヘッジファンドって知っていますか?」

僕「当然ですよ。笑」

ルーク「これは失礼した。そのヘッジファンド関係の仕事をしています。」

ヘッジファンドってなに?
僕「ヘッジファンドって、イマイチわからないのですが、どんなものですか?」

ルーク「簡単に言うと、様々な手法を用いて利益を追求する投機的なファンドのことだよ。」

僕「そうなのですか。どこから資金を集めるのですか?」

ルーク「主に機関投資家や富裕層等からの資金だよ。
その集めた資金を運用する。それが、私たちの仕事。」

僕「そうなのですか、普通の投資とどう違うのですか?」

ルーク「基本は同じだよ。でも、ヘッジファンドの考え方は、好況・不況に関わらず、
常に投機的なスタイルで利益を追求する事が目的としている。
極論を言うと、どんな相場でも儲ける事ができる仕組みを追求しているってこと。」

僕「それって、相場の乱高下を加速させる要因になったりしませんか?」

ルーク「場合によるよ。一概にそうとは言い切れないね。」

僕「確かに、全員勝てるものではないですからね。」

こうして僕は、ヘッジファンドを知るきっかけとなりました。
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「世界を動かすヘッジファンド 2、ヘッジファンドって誰?」

結構わかりにくく、イマイチよくわからないヘッジファンドを理解するために、
基本的なことから見ていきたいと思います。

僕「そもそもヘッジファンドってどんな考えなのですか?」

ルーク「ヘッジファンドの基本的な考えとしては、絶対的収益の追求を目標としているのだよ。」

僕「絶対的な利益の追求って?」

ルーク「絶対的収益の追求とは、市場がどのような状況でも、環境下にも関わらず、
必ずプラスの運用実績を目指すことを目標としているのだよ。
市場の基本原則は、売りと買いしかないからね。その繰り返しだよ。」

僕「なるほど、でも売りと買いだけってシンプルですよね。」

ルーク「確かにね。一概には言えないけど、世の中には沢山の市場があり、
多くの手法があるから、そこを掛け合わせ複合化することで、勝ち負けのバランスを保つのだよ。」

僕「それを指示というか、指揮をしているのは誰ですか?」

ルーク「ヘッジファンドマネージャーという人たちだよ。
ヘッジファンドには、優秀なマネージャーがいて、良いパフォーマンスが結果として出てきて成り立つから、完全実力主義の世界だよね。」

僕「そうなんですか・・・」

ルーク「市場は、ゼロサムゲームだから、誰かが勝つということは誰かが負けるということ、
これは完全なサバイバルだよね。2008年に起きたリーマンショックの後、多くの人がお金を失った。
でも、それは消えたのではなく、勝ち組に移動しただけなのだよ。」

僕「移動って・・・確かにそうですよね。ところで誰に?」

ルーク「有名なのが、ジョン・ポールソン。彼は、早くからサブプライム問題を予測していたからね。」

僕「どういうことですか?」

ルーク「バブル当時、市場参加者は過去に下がったことがないという理由で、住宅市場の上昇がこれからも持続すると考える人が大勢いた。
しかしポールソンは不動産のプロではなかったけど、社員の提案で住宅ローン市場の破綻を予想し、
まだあまり一般化されていなかったCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を利用してその下落に大胆に賭けたんだ。
その結果、2007年に運用ファンドのリターンは、約6倍にもなった。」

僕「そうだったのですか。彼もヘッジファンドなんですね。」

ルーク「そうだね。」

僕「でも、そんな複雑な市場を見るなんてね・・・すごいですね。」

ルーク「マネージャーによるけど、一定のシグナルがあって、そこを見ている。昔と違って、今はアルゴリズムがあるからね。」

僕「アルゴリズムって、あのアルゴリズムですか?」

ルーク「そうだよ。ああいったものが導入されてから多くの市場を網羅できるようになった。だから、いろいろな市場への投資が可能となった。」

僕「確かに、人間の力では眠らない市場とは戦えないですからね。」

ルーク「そうだよね。市場は24時間動いているからね。」

参考までに、有名なヘッジファンド会社を調べてみました。

有名なヘッジファンド会社

・ブリッジウォーター・アソシエイツ CEO レイ・ダリオ
・JPモルガン・アセット・マネジメント
2014年3月末、約170兆円の運用資産を有する世界最大級の資産運用グループ「JPモルガン・アセット・マネジメント」の日本拠点です。
「JPモルガン・アセット・マネジメント」グループは、世界最大級の金融持株会社JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーの傘下の資産運用部門です。
・マン・インベストメント・グループ
ここは、世界最大級で老舗のヘッジファンド運用会社です。
その起源は古く、起源は200以上前に始めたジェームズ・マン氏に由来しています。
1994年にロンドン証券取引所に上場し、FTSE 100 Indexの構成銘柄にもなっています。
ロンドンを拠点に、ニューヨーク、香港、日本など、世界13ヵ国に事務所を持ち、1,800名を超える従業員を雇用する会社です。
マン・グループが運用するヘッジファンドは、コンピューター・プログラムを用いて自動売買を行うファンドからマルチ・マネージャー・ファンドなど多岐にわたります。
その他、D.E.ショウ&カンパニー
ブレヴァン・ハワード
オク・ジフ・CMG
ソロス・ファンド・マネジメント
ゴールドマン・サックス・AM
ファラロン・CM

ソロス・ファンド・マネジメントは、あのジョージソロスの会社です。
ジョージソロスは、ポンド売りでイングランド銀行を負かしたことで有名です。
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「世界を動かすヘッジファンド 3、ヘッジファンドってどこにあるの?」

結構わかりにくく、イマイチよくわからないヘッジファンドを理解するために、
基本的なことから見ていきたいと思います。

ヘッジファンド会社の所在地
世界中に沢山ありますが、所在地は主にオフショア地域に所在しています。

ヘッジファンドは、一部ではケイマン諸島やブリティッシュバージン諸島などのオフショア地域に「書類上の本籍」を置いていますが、実際の運用担当者は東京、ニューヨーク、香港、ロンドンなどの金融センターにいることが多いようです。

また、米国のヘッジファンドはニューヨーク近郊のコネチカット州グリニッジにも相当集積されているそうです。

その理由として・・・
法規制が厳しくない地域での運用を求める場合もありますが、
実際には海外の投資家向けにアクセスを提供することを目的としている場合が多いようです。
また海外の投資家の場合、オフショア以外の地域に籍をおくファンドでは、税務上不利となるからです。
ファンド自体で課される税金に加え、投資家の居住国でも課税され、尚且つ控除が認められないことが多いので、二重課税となってしまうケースもあります。
ただし、アメリカのヘッジファンドの大半は、アメリカに籍を置き、アメリカで運用し、アメリカの投資家だけにアクセスを提供しています。

世界の主導的なオフショア金融センター
代表的なオフショア金融センターとして、5つの地域をあげてみましたが、全てイギリスの主権のおよぶ地域なのですね。
また、どうしてオフショアに所在をしているのかといいますと、やはり金融センターとして法律的な部分で動きやすいからです。

ジャージー
ガンジー
マン島
バミューダ
ケイマン諸島
他に、モナコやルクセンブルク、ニュージーランド、シンガポール、そして香港等です。
このように見ていくと、金融に関しては英国がコアな部分を握っているように思います。

ちなみに、このヘッジファンドは誰が考えたのか?
一番はじめにヘッジファンドを始めたのが、
1949年アルフレッド・ジョーンズという人物です。
彼は、48歳のとき、自己流でヘッジファンドを開発したそうです。
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「世界を動かすヘッジファンド 4、ヘッジファンドの運用手法」

今週は、実際にどのような方法で運用をしているのか見ていきたいと思います。

本題に入るその前に・・・「中国暴落とヘッジファンド」

僕「今回の中国暴落についてどう思われますか?」

ルーク「予想していましたよ。中国経済は、実態と株価と伴わない部分がありますので、いつかはこうなるとね。」

僕「そうなのですか・・でも、ヘッジファンドの理論でいくと、中国本土は無理でも日本、アメリカなどの市場が引きずられているから、かなり動いていますよね?」

ルーク「そうだよね。上下を波と捉えるとここ数ヶ月は大きな波があるからね。」

僕「では、具体的に今回の波で儲けているのですか?」

ルーク「それは言えないなぁ。笑」

僕「でも、運用といってもなかなか奥が深いので、理解しにくい部分があります。」

ルーク「あまり深入りしなくても、運用方法や手法ぐらいは理解しておく方が何かと役に立つよ。」

そういうわけで、今回は運用と手法について調べてみした。

まず、運用方法は2種類有ります。

システム運用
あらかじめ決められたプログラム通りに実行する、完全にシステムのみが判断するものです。これは、人の判断が入りません。

ディスクレショナル運用
これは、ある程度人の判断が入るとされています。
取引自体、元々は人間が判断していた仕事ですから、その判断や取引の道具としてシステムが導入されました。
しかし、実際は、計算処理にスピードが要求されるようになったり、市場が多様化されるに連れ、大部分をシステムがするようなりました。

運用手法
これは、運用の方針・作戦といったところです。
ヘッジファンドが行う全体的な運用手法として、4つあります。

トレンドフォロー型
相場のトレンドに追随して売買を積み上げる。

カウンタートレード型
上昇・下落トレンドの反落・反騰を利用して売買をおこなう。

ブレイクアウト型
ポイントとなる値段を超えると売買をおこなう。

ボリューム&モメンタム型
出来高・相場の方向性によって売買をおこなう。

中でも一番多いとされるのがトレンドフォロー型でヘッジファンドの世界ではトレンドフォロー型とは言わずにマネージドフューチャーズといいます。
多くの場合、コンピューターによって、あらかじめ決められたルールによって組まれたプログラム売買が中心であり、極力人間の感情は排除されています。

中にはコンピューターによる自動売買ではなく、ファンドマネージャーによってトレンドを取りにいくファンドも存在します。
非常にリターンのボラティリティー(価格変動の度合い)が高い手法であり、その手法自体は外部に漏れることはほとんどなく、ブラックボックス化しているのが特徴です。

プログラム売買で使われるプログラムは何度もバックテストを繰り返されており、プログラムが作られてはバックテストするという作業を繰り返します。
プログラムは(年率リターン-リスクフリーレート)÷年率標準偏差によって求められるシャープレシオなどの様々な指標でプログラムの優劣を判断します。

テクニカル分析に基づいて作られる場合がほとんどで、数字で現れるデータの分析するため広い意味での定量分析(Quantitative analysis)とも言われています。

日本の株式指数先物では、よく欧州系の外資系証券会社(クレディスイス証券やニューエッジ証券等)の手口が見られますが、こうしたトレンドを取りにいくマネージドフューチャーズを手法としたヘッジファンドからの注文だと言われています。

トレンドを取りにいく手法の為、マーケットにトレンドが表れると大きく手口を傾けるので特にマーケットでは目立つ存在です。
こうしたマネージドフューチャーズを手法とするヘッジファンドは大きくレバレッジを掛け日本の株式指数先物だけではなく、アメリカ株指数先物や欧州株指数先物も同時にポジションを取るので、日本の株式指数先物では損失となってもその他の市場で利益を出している可能性もあります。
株式指数先物だけではなく、為替や債券でも同時にポジションを取る場合が多く、一つのポジションだけの損益ではなく全体のポジションでの損益が重要になってきます。

省略して書いていますが、基本的な部分となります。
こういったヘッジファンドは、投資信託や保険、銀行の運用先となるので、かなり高度な技術をもって運用されています。
また、運用金額が大きれば大きいほどシステムも高度なものとなりますので、運用規模によりシステムの容量も変わるようです。
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「世界を動かすヘッジファンド 5、ヘッジファンドが運用する市場」

今週は、ヘッジファンドが投資する市場についてお話したいと思います。

ヘッジファンドが投資する市場としては、金融先物 株式、為替、債権
商品先物 鉱物、貴金属、エネルギーこのような、先物市場です。

この様な市場には、トレンド(流れ)があり、蓄積されたデータにより計算していきます。
つまり、日々、データが積み上がることになりますので、より正確な判断ができるように進化し続けているのです。

また、独自に開発した先進のプログラムを活用して運用することが多く、異なる運用対象の価格差に注目した利ザヤ稼ぎや相場の流れに沿った売買など様々な手法を活用します。

先物市場
先物市場とは先物取引をする市場のことです。

先物取引とは、将来一定条件で受け渡しを約束する取引で、受け渡しを約束した期日以前なら、都合の良い価格帯で、転売・買戻し、(反対売買)を自由に行い、値動きによって生じる差額(差金)だけの受け渡しで取引を決済(差金決済)することができます。
もちろん商品を実際に入手する受け渡し決済も可能です。
例えば、投資として考えると、受け渡し期日以前に価格が上昇すると予測した時は買い契約をします。
価格が上がった時点で売って(転売)その差益を手に入れることができます。
また、価格が下落すると予測した時は売り契約をし、下がった時点で買う(買戻し)ことで、同じくその差額を利益として受け取ることができます。

商品先物市場
商品先物取引とは、一定期日に商品を受渡しすることを約束して、現時点でその価格を決める取引です。
そして約束日以前(決済期限内)に反対売買(買い契約なら転売、売り契約なら買い戻し)をして差金決済ができます。
いわば、安く買って高く売る、あるいは高く売って安く買い戻すことによって差益を得るのが商品先物取引なのです。

この商品先物市場は自由主義経済の円滑な流れに重要な働きをしています。
先物市場は誰でも自由に参加できることが大原則です。
買い手と売り手の自由な意思が、商品の公正な価格の決定を実現し、価格変動に対するリスクヘッジ(保険つなぎ)の役割を果たしています。世界各地に広がる商品取引所では、地球規模のあらゆる自然条件や経済情勢をもとに、農産物や貴金属、金融商品の価格が常に変動し、決定されています。

大体はこんな感じです。

ヘッジファンドに投資する組織
次は、どんな人が運用を託しているのでしょう?

機関投資家
機関投資家とは、顧客から拠出された資金を運用・管理する法人投資家の総称のことです。
一般に機関投資家と呼ばれる組織として、
「投資顧問会社」、「生命保険会社」、「損害保険会社」、「信託銀行」、「投資信託会社」、「年金基金」などが主なものです。

身近なところで、生命保険会社や損害保険会社であれば、加入者の保険料収入であり、投資信託会社であれば、投資信託を購入した人たちの提供した資金が元手になります。
そのため、機関投資家は大量の資金をまとめて運用するので、市場に与える影響も大きいものがあります。
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「世界を動かすヘッジファンド、6 ヘッジファンドの戦略」

今週は、ヘッジファンドの戦略についてみていきたいと思います。
ヘッジファンドが投資する市場が多いように、その戦略も様々です。

代表的な戦略
1. ロング・ショート:今後株価の上昇が期待される株式をロング(買い)にし、下落が期待される株式をショート(空売り)にする組み合わせで、中長期的な絶対収益を目指す戦略

これは、現在のヘッジファンドで最も運用残高の多い投資戦略です。
この戦略は、ロング・ショートという名前からもわかるように、株式等の有価証券のロング(買い持ち)とショート(売り持ち)の双方のポジションを同時に取るものです。

ファンドマネージャーが割安な銘柄や、過小評価されていると判断した銘柄を「買い(ロング)」のポジションを取り、逆に割高つまり過大評価されていると判断した銘柄に「売り(ショート)」のポジションを取るものです。
不況等の相場全体が「下げ」の環境下では積極的に空売りを仕掛けることで、絶対的な収益を生み出すことが可能になります。


2. 金利アービトラージ:先進国の流動性の高い債券市場および先物市場で、ロングとショートを組み合わせ、金利差やイールドアーブの歪みなどで収益の獲得を目指す戦略

これは、裁定取引(アービトラージ)を利用したもので、同一の取引銘柄が、複数の市場に上場されている場合、同じ銘柄であるにもかかわらず、価格に乖離が生じることがあり、この場合、長期的には必ず乖離が修正されるので、高いほうを売って、安いほうを買っておき、乖離が修正された時点で反対の売買を行えば、安全かつ確実に利益を出すことができるわけです。また、市場間のバイアスを利用した取引なので、上げ下げには依存せず相場に動きがない局面でも利益を生み出せるのが特徴です。
*バイアスとは、先入観に基づいて第三者を観察し、自分に都合のいい情報だけを集めて、それにより先入観を補強するという意味です。


これはごく一部です。
このように戦略と戦術を駆使して利益を上げていくのです。
ほかにもありますが、長くなるので次回にしたいと思います。
スタンレー・よっしーのメルマガ シーズン3 
「世界を動かすヘッジファンド、7 ヘッジファンドの戦略U」

先週は、ヘッジファンドの戦略の代表的なものとして、ロング・ショート戦略、
アービトラージ戦略について調べてみたのですが、今週は他の戦略も見ていきましょう。

僕「ヘッジファンドの戦略っていろいろあると聞きますが、市場環境により変わるものではないのですか?」

ルーク「そうだね、その時の状況によって異なるよね。」

僕「例えばどんなものですか?」

ルーク「例えば、マーケット・タイミング戦略といって、
統的なロング・オンリー運用と異なり「ロング(買い)」ポジションに入るタイミングを見計らいながら、
それまでに現金や短期金融資産等で安全運用を行う戦略があるよ。」

僕「どんな市場環境で取る戦略なのですか?」

ルーク「一般的には株式相場全体の上昇基調入りを見計らいながら、「下げ」相場では現金運用を行い、
上昇期にはインデックス運用を行うタイプが多いね。
それに、金融政策や財政、主要な経済指標などを分析しマクロ経済のサイクルを見計らうアプローチが取られるよ。
このマーケット・タイミング戦略は、その性質上、一般的な株式投資信託よりもリスクが低い運用手法だと考えられているんだ。」

僕「他には?」

ルーク「レラティブ・バリュー戦略、これは同時にロング・ポジションとショート・ポジションを取り、
一時的な価格の歪が合理的な価格に収斂する仮定で利益をあげる。」

僕「・・・もう少し簡単ものはないのですか?」

ルーク「どれも簡単だよ(笑)でも、わかりやすいものなら企業の情報を利用したイベント・ドリブン戦略かな?」

僕「どういうことですか?」

ルーク「これは、主に企業の買収・合併等のイベント発生時における市場でのミスプライスを収益機会と捉える手法なんだ。
例えば、ある企業同士の合併が公表されてから、実際に合併が成立するまでの間に発生する各企業の株価の差異を、
合併成立に伴って収斂するものと考えてポジションを構築するもので、
イベントが正確に市場価格に反映されるまでにタイムラグがあることによって、収益機会が生まれる。それを利用する方法なのだよ。」

僕「もし、合併がうまくいかない場合はどうなりますか?」

ルーク「それはリスクだよね。その場合には大きな損失を発生しかねない運用方法なのだよ。でも、理屈としては理解しやすいでしょ?」

僕「まぁ・・なんとなく」

ルーク「他に、市場に対して中立なポジションを取る マーケット・ニュートラル戦略、この戦略では、市場全体の値動きに左右されず、
銘柄選定効果(アルファ)だけを積み上げていくリターン特性をもつので、ヘッジファンドの中で最もリスクが低く安定した運用手法の一つだよ。
また、伝統的な資産クラスとの相関が低いので、既存の伝統的ポートフォリオに追加した際に得られる分散効果が最も高いともいわれているよね。

僕「そういえば、ジョージ・ソロスってどんな戦略をとっていたのですが?」
ルーク「ソロス氏の場合、グローバル・マクロ戦略といって、彼の「クオンタム・ファンド」がこの分類に入るよ。
一時期はヘッジファンド=グローバル・マクロというようなイメージで語られることもあったけど、
機関投資家側のヘッジファンドに対するニーズが具体化・特定化している現在では、徐々に主要な地位を占める戦略ではなくなって来ているね。
実質的には特定の運用手法を指すものではなく、多種多様な市場において多種多様な資産を多種多様な手法で運用するファンドの総称なんだけど、
その多くが、世界のマクロ経済動向見通しをベースにしたトップダウンアプローチに基づき、世界各市場で多種多様なポジションを張っている。」

ルーク「他にも、プライベート・エクイティ戦略
これはは、未上場企業に投資するベンチャー・キャピタルや、企業の買収、再生、売却を通じて収益を上げるバイアウト・ファンドなどの総称で、
一投資家に過ぎない一般的な株式投資と異なり、大株主として企業の経営に対し、
より直接的な関与をし、企業価値を向上させながら最終的にIPOやM&Aによる売却など(Exit、エグジット)を目指すもので、
その特性から、中長期的な投資が多く、流動性も低い投資手法だよ。」

ルーク「マルチ戦略、これは複合戦略のことで、複数の運用戦略が組み合わさった運用のため、ヘッジファンド全体の指数と似た動きになるのだよ。」

ルーク「他に、マネージド・フューチャーズ戦略MF
これは、取引所に上場している先物に投資する運用手法で、少ない証拠金で大きな取引ができる運用手法だね。
コモディティ投資とする見解が多く、広義では代替投資の一つ。
元来は商品に限らず各種金融資産、通貨等も含めた先物全体を活用した運用手法で、
運用者はコモディティ・トレーディング・アドバイザー(CTA)と呼ばれているよ。」

僕「いろいろあるのですね。」

ルーク「そうだよね。その市場によって戦略を変えないといけないからね。
それに、そこを間違えると大変なことになるからね。投資には絶対ということはないからね。」

今週は、戦略パートUについてお話してみました。
しかしこんな話を聞くと、なかなか大変なものだと思いますよね。
ほとんどのヘッジファンドがアルゴリズムを使っているので解析速度や処理能力は人間よりも早い判断ができると思いますし、
感情や期待などが入らないためより正確な判断ができると思いますので、そこに勝とうとすると同じようなアルゴリズムが必要になりますね。


スタンレー・よっしーのメルマガ シーズン3 
「世界を動かすヘッジファンド、8 CTA コモディティ・トレーディング・アドバイザー」

今回は、ヘッジファンドの代表格である、CTAについてです。
このCTAはヘッジファンドを知る上で重要な存在ですので、今回はここに絞り込んでみたいと思います。

CTA
CTAとは、コモディティ・トレーディング・アドバイザーの略で、ヘッジファンドの代表格です。
日本語では「商品投資顧問業者」や「商品取引アドバイザー」とも呼ばれ、先物運用の専門業者(プロフェッショナル)をいいます。

彼らの分析方法は、大きく分けると・・・
テクニカル・トレーダーとファンダメンタル・トレーダーに分かれます。

まず、テクニカル・トレーダーは、価格傾向を追うためにコンピュータープログラムなどを活用し、定量分析を実施します。

次に、ファンダメンタル・トレーダーは、需給関係やその他の市場情報を分析することによって価格を予想します。

テクニカルとファンダメンタルの両者を活用するCTAもいます。
また、多くのCTAは外国為替、欧州地域、株価指数など、自分の得意とする分野を持っていて、1980年代から注目された運用方法です。

この手法を用いて、CTAが初めに手がけたものが、シカゴの農産物の先物でした。
そして、金、NYMEX(ニューヨークマーカンタイル取引所)
石油等の商品(市場)から現物のヘッジとしてスタートしたわけです。

その先物の動きをコンピューターで捉え、分析することで、数値的に過去のデータを基本に判断していくものですが、初めはなかなか認められませんでした。
しかし、その存在を見せつけたのが、1987年のブラックマンデーの時に効果を発揮した時でした。
それ以来、おおくのCTAがコンピューター導入を開始しました。

当時有名だったCTAですが、その代表格としては、
ポール・チューダー
1980年にチューダー・インベストメントを創業します。
26歳でした。近年ではコネチカット州グリニッジにあるこの会社の一部のファンドは2014年償還の決定で話題となりました。

他に有名なCTAといえば、チェサ・アビークやミントですね。
また、もっと有名なのは、ビクター・ニーダーホッファーは有名です。
ちなみに、彼は、1943年〜マタドール・ファンドおよびマンチェスター・トレーディングを運営するヘッジファンドマネジャーでした。
全盛期には「世界一の投機家」と言われながら、アジア通貨危機で一夜にして50億円以上の損失を出して破綻しました。

ヘッジファンドの世界は、どんどんコンピューター化が進んできていて、現在は、ほぼAI(人工知能)が活躍しています。
でも面白いことに、一番初めに開発された、ヘッジファンド用のプログラムのコピーと改良で進化してきているので、元を辿って行けばそのプログラムに行き着くそうです。
それを開発したのが、当時の大学生だったそうです。
なんか奥の深い話ですよね。

スタンレー・よっしーのメルマガ シーズン3 
「世界を動かすヘッジファンド、9 ヘッジファンドテクノロジー」

バックナンバーを読み直すと、やや堅苦しい感じもします。
本来は、そこをわかりやすく書こうと思いながら書いていましたが、
あまり脱線できないので、結局、堅苦しくなりました。

しかし、調べていくうちにわかったのですが、
ヘッジファンド運用は、ほぼコンピューター化(人工知能化)してきています。
当然、人がトレードすることもありますが、
市場が広すぎる場合、金額が大きくなりすぎると、複数の市場で運用をするため
やはりコンピューターに頼らないといけない部分があります。

では、いつからそうなったのか?調べてみました。
興味深いことは、そのコンピューター化のきっかけは、
コンピューターオタクの大学生によるものでした・・・

コンピューター化の始まり
1990年代になり、イギリスをはじめとするヨーロッパの若い研究者が、
MF(マネージド・フィューチャーズ戦略)研究に取り組みました。
コンピューターのトレンドフォローという仕組みを研究して進化させてきたのです。

大学生が作り出したトレーディングプログラム「AHL」
アダム、ハーティング、ルークの三人が、
オックスフォード大学、ケンブリッジ大学時代から研究して生み出した
MFプログラムが一大ブームを起こしました。
これが「AHL」です。ちなみに、ご覧の通り名前の頭文字を合わせたのです。

彼らの運用は、大学を卒業してから本格的にスタートさせました。
しかし、彼らの会社は未上場であったため、1994年、大型ヘッジファンドである、
マン・グループがロンドン市場に上場した際に、株式交換をして吸収されることになりました。
そうして、彼らはマン・グループに入りました。
そこで、更なる進化を進めていくことになります。

やがて、アダム、ハーディングはマン社の株を売却後独立。
その2年後に、ハーティングは、「ウィントン社」を創業。
同時期に、ルークは会社をやめて、アダムと「アスペクト社」創業。
この「ウィントン社」「アスペクト社」そして「マン社」が、
イギリスの3社がCTAのトップスリーになりました。
こうして、コンピューター化の幕開けとなりました。

しかし、2008年のリーマンショック境に変わります。
まず、その理由の1つ目は、金利が安くなりすぎたことです。
それは、MFというものは先物を対象とした運用ですから、
資金を100%充当しなくてもよいのです。

証拠金が10%〜15%で、残り90〜85%は預金のようなものです。
つまり当時は、定期預金みたいなものに回すと、ドル金利、金利が3%〜5%つきましたから、
先物で15%出したとすると、それを合わせて18%出せたのです。
金利が安くなるということは、3%〜5%がなくなったってことなのですね。

もう一つは、市場のお金が減ったこと。
リーマンショックにより、皆が怖がってお金を投資しなくなりました。
それで、FRB主導で金利がどんどん下がると、債権利回りが下がりますから、
相対的に株式の魅力が高くなります。
そうして、アメリカ国家が支援している株が上がる。
余談ですが、これを理解していれば、アメリカが支援している銘柄についていけば儲かりました。

ある意味、安定はしているように思いますが、中央銀行主導の相場になるものですから波がないわけです。
トレンドや波がないということは、MFにとって非常に利益が出しづらい状況なのです。

またMFは、商品市場を含めた分散投資をするので、
こっちで儲けても、こっちは差し引きゼロとか、
できるだけ底相関のものを組み合わせることが良いのですが、
低相関、無相関という前提が崩れてしまいました。

更に、追い打ちをかけるように登場したのが、
ハイ・フリークエンシー・トレーディングという戦略が登場します。
HFT(ハイ・フリークエンシー・トレーディング)とは、
コンピューターのプログラムにより株の自動取引を行う「アルゴリズム取引」の一種です。

日本では、「超高速取引」「高頻度売買」「超高速売買」と言われています。
高速処理のコンピューターを駆使して、ミリ(1000分の1)秒単位で膨大な売買、または小口売買を行い、
わずかな価格差を利用して利益を得る手法です。

株式だけでなく、外国為替や各種先物取引など多くが、その対象になります。
人が瞬きする間に売買が終了しているようなイメージです。
米国株式市場では6割が、欧州では、4割。
そして東京市場でもすでに3割がこの取引になっていると推計されます。

2008年には、大手ヘッジファンドが、
HFTを行う関連会社を通じて約10億ドルの利益をあげていたことがわかっています。

2011年には、HFT投資家が欧米を中心に200社以上存在していると言われています。
米国ではHFTが原因とされる株式急落が度々発生。
2013年5月に始まった日本の株価の乱高下の一因ともされています。

このような機敏な動きをするHFTなどの方法が登場すると、
大きなファンドは、大きな市場でしか取引できないため、今までのやり方が通じなくなるのです。

HFTが生み出す新しい戦略
HFTというテクノロジーの進化により、あらゆるシグナルをいち早く察知、
対応するようになりました。
このようになってくると、大きな体をしたものがマーケットシグナルを拾う頃には、
HFTは全て取引を終えてしまっています。

HFTを主力としている流動性の高いファンドは、図体の大きなMFを狙っているのです。
MFが動くと、これ自体が一つのトレンドになるので、そこを利用して、一足先に仕込んでしまうのです。

やはり、MFとういう一つの戦略は、多くのヘッジファンドが行ったため、全体の図体そのものが大きくなりました。
HFTとは、IT技術を駆使した最新の方法となったわけです。
ですから、大きなMFは、高い値段で買って、安い値段で売らざる得なくなりました。
こうして新しいプログラムが時代を変えました。

現在のヘッジファンドの動向
2008年は世界の経済にとって一つの節目になったわけですが、当時、20%くらいのヘッジファンドがやられました。
ちなみに、2008年までには、10,000社、140兆円ほどの運用をしていました。

しかし、減ったとは言っても預かり資産は年々増加傾向にあります。
これは、金融規制緩和が始まった2012年頃から始まったようですが、日本ではあまり知られていないようです。

なぜなら、ヘッジファンドと言うと、日本人にとっては遠い存在でもありますし触れる機会もないからでしょう。
それに、一般の人がヘッジファンドに直接投資をすることはあまりなく、
ほとんどが金融機関、機関投資家等となりますからね。

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